村岡曜子治療院|指圧治療院 埼玉県川越市(指圧の教科書-基本指圧DVD 指圧師向け技術習得・向上・勉強)

  • 〒350-0033 埼玉県川越市富士見町9-1

DVD制作にあたって

二分脊椎症の人たちは、程度の差こそあれ、ほとんどが排泄障害を抱えています。
その方たちは自力で排便・排尿ができず、導尿、洗腸に頼っているのです。ところが基本指圧を施療して、自力排便ができるようになった人が何人もいらっしゃいます。
患者さんの治療を進めるうち、某都立病院脳神経外科医長(当時)の藤原一枝先生に勧められて、日本二分脊椎研究会で学会発表も2回行いました。
眼球振盪(しんとう)の治療も行いました。眼球が左右に振れるひどい状態の何人もが、ほとんど目立たないまでに回復しています。
脊柱側弯症(そくわんしょう)も施術しています。今後さらに悪化することが予測されるため、病院で手術を勧められた方が大勢いらっしゃいます。しかし基本指圧で病状が大きく改善した方や、現在施術中の方たち。整形外科でも完治を認められた症例があり、そのほかにも西洋医学では解決できないことに挑戦してきました。
しかし指圧としては特殊ともいえるこのような治療は、これまで基本指圧研究会で私一人でやってきましたので、回復・治癒の症例が少ないのが残念でなりません。

今回このDVDを世に出することで、多くの指圧師が基本指圧の正しい圧し方を修得できたら、世の中で救われる人がどれほど出るかと思うとわくわくします。同じ志を持っている指圧師と、一緒に勉強したいと思っています。
しかしこの圧し方を、文章に書き起こし書籍で出版しても、とうてい伝えられるものではありません。何とか動画に残し、それを通して指圧師が勉強するのが最善の方法と考えました。これがDVD制作の直接の動機です。

制作の目的は、基本指圧を目指す若き指圧師に、浪越指圧の圧し方をともに学んでもらいたいというところにあります。思いは以前からあったのですが、その一歩を踏み出すきっかけになったのが、5年前に、新潟大学名誉教授 生田房弘先生からいただいた励ましのお言葉でした。

縁あって私は、二分脊椎症の方たちの排泄障害に対する指圧施療を行ってきました。
平成26年3月、公益財団法人「日本二分脊椎・水頭症研究振興財団」の研究助成金をいただくことになり、贈呈式が行われる新神戸駅前のANAプラザホテルに赴きました。
ところが到着したとき、生田先生が名刺を手にして私を待っていてくださったのです。生田先生は審査委員長でした。会場には、日本を代表するそうそうたる先生がたが集まっておられました。学会発表をしたおり、お顔を拝見したかたも大勢いらっしゃいました。
そのとき生田先生から、「こうして1人でもよくなってくれるのは素晴らしいことですよ」と優しく声をかけていただいたのです。先生は日本人としては初の、米国神経病理学会最高功労賞を受賞した方でもあります。先生のお言葉は、今でもしっかり胸の奥に収まっており、一生忘れられないうれしい記憶です。
その時から、たとえ小人数でも、現代の医学で治癒困難な患者さんが、基本指圧によって病気の症状の一つでも回復できたら、それほどうれしいことはないと実感できるようになりました。同時に、基本指圧ができる指圧師を増やしたいという、それまで漠然としていたDVD制作の思いが具体的になってきたのです。

今回DVDの撮影に当たり、私の治療院の患者さんに指圧を受ける側のモデルを依頼しました。
本当にうれしいメールが彼女から届きましたので、最後にご紹介させていただきます

根治と言う名前のない病気を持って生まれた私は、何度かの手術と治療を終えて、ひたすら『現状維持』をテーマに生きてきました。
それは、普通に憧れながら、現状維持以下にならないための世界でした。
しかし村岡先生と出会い、その世界は変わったのです。指圧を受けたことで現状維持の先に行けたのです。
大袈裟でなく人生が変わりました。
そんな中、今回のDVDのお話がありました。
村岡先生に、そして指圧に恩返しを!
そんな気持ちで参加させていただきました。ますます指圧が大好きになりました。